今回は、お湯が必要なときすぐに沸く「電気ケトル」の選び方とオススメを検証します。
カップ1杯の水であれば1分で沸騰する電気ケトルは、紅茶やコーヒーを淹れたり、カップラーメンを作るのにはもちろん、子育て世帯では粉ミルクや煮沸消毒などにも重宝します。
なお、調理家電については他にも書いていますので、あわせてお読みいただければ幸いです。
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【最新】電気ケトルの特徴と選び方
個別製品を比較する前に、まずは製品選びのポイントから説明します。
電気ケトル選びのポイントは、以下の4点を押さえれば十分です。まずはサイズで迷うと思いますが、安全装置については転倒時のお湯漏れ防止機能の有無に注意してください。
サイズ(お湯の容量)
重要 電気ケトルのサイズは、おおむね0.6Lから1.2Lまで0.2L(200cc)刻みでラインナップされています。今の売れ筋は0.8Lで、日清のカップヌードルなら2つ作ることができます。
サイズ 紅茶・コーヒー
150cc~200ccカップヌードル
300ccペヤングやきそば
480cc0.6L 3~4杯 2つ 1つ 0.8L 4~5杯 2つ 1つ 1.0L 5~6杯 3つ 2つ 1.2L 6~8杯 4つ 2つ 例えば、4人家族でカップヌードルを食べるなら、1.2Lの大容量サイズが必要になります。カップ焼きそばは大量のお湯を使うので注意してください。
ひかぱん電気ケトルは適度な容量がベストです。大量のお湯を日常的に使うなら、保温も可能な電気ポットをオススメします。消費電力(ワット数)
一般的には低いほうが良いと思われがちな消費電力ですが、電気ケトルはワット数が高いほど早く沸きます。ティファール標準の1250Wを目安に、あまりワット数の低いものは注意しましょう。
メーカーごとの消費電力
象印・タイガー(1300W)、ティファール(1250W)、アイリスオーヤマ・バルミューダ(1200W)、シロカ(900W)※製品により異なる場合もあるため参考までホテルの客室など早沸かしが不要な場面では、あえて低ワットのエコ製品を選ぶのも手です。ただ、こうした業務用製品は、一般家庭用に比べて本体価格は高くなります。
Amazon’s data(2021.03.21現在)レビュー数 8件・参考価格 8000円注ぎ口
重要 カップに注ぐ際の湯こぼれを防ぐため、なるべく注ぎ口が鋭角なものを選びましょう。古いタイプのケトルで湯切れが悪い場合、買い替えてしまうのも一手です。
さらに、コーヒーのハンドドリップ向けに作られた電気ケトルなら、湯切れの良さは抜群です。ただし、注ぎ口が狭いので、大量のお湯を使う用途には不向きとなります。
Amazon’s data(2021.03.21現在)レビュー数 558件・参考価格 15622円安全装置
高熱の湯を扱う製品だけに、数ある調理家電の中でも安全装置は重要です。主の安全装置は以下の4つですが、これら全てを搭載している象印とタイガーはオススメです。
- 転倒時のお湯漏れ防止 重要
- 自動電源オフ(沸騰後、一定時間後)
- カラだき防止
- 給湯ロック
やはり怖いのは地震や不意に落としてしまった場合などの火傷事故ですから、転倒時の湯漏れ防止機能の有無だけは注意しておきましょう。
以上が電気ケトルの基本的な選び方ですが、製品によっては保温機能が搭載されていたり、蒸気レスで置き場を選ばない機種もあります。これらの追加機能については、以下の個別製品紹介で説明します。
電気ケトルのおすすめ4選
ここからは、電気ケトルの推奨製品を絞り込みます。電気ケトルは意外に価格帯が幅広いため、以下の3区分に分類した上で、それぞれのオススメ製品をご紹介します。
電気ケトルを3つに分類
- 4000円以下のコスパモデル
- 機能充実の上位モデル
- 流行りのハンドドリップ型
イチ押し タイガー PCM-A080/A060 安くても転倒時の安全装置付きで90%の蒸気をカット
迷ったらコレ!
タイガー 電気ケトル 0.8L PCM-A080-WM – タイガー Amazon’s data(2021.03.21現在) レビュー数 89件・参考価格 3850円 |
4千円以内で電気ケトルを選ぶなら、タイガーのPCM-A080がイチ押しです。1300Wとパワーがあり、この価格帯では珍しい転倒時の湯こぼれ防止機能を搭載しています。
また、フタは取り外し可能でお手入れも簡単。水量窓は左右2箇所に付いており、どちらの向きからでも確認できます。丸みのあるデザインは現代的で、全方位的に隙きの無い製品と言えます。
この価格帯では、知名度抜群のティファールや、アイリスオーヤマなどの低価格勢が比較対象となりますが、湯こぼれ安全装置の有無が大きな違いです。
この製品の良いところ
- 転倒時の湯こぼれ防止機能付き
- 蒸気量を約90%カット
- フタは取り外し可能でお手入れに便利
- 左右に2箇所の水量窓を設置
- 1300Wの高出力
- 象印の同等製品より少し安い
ここは改善を希望です
- これといった欠点はありません
イチ押し ティファール アプレシア エージー・プラス コントロール 紅茶や日本茶にうれしい温度調節機能付き
ティファール 電気ケトル 0.8L アプレシア エージー・プラス コントロール オニキスブラック KO6208JP – ティファール(T-fal) Amazon’s data(2021.03.22現在) レビュー数 1812件・参考価格 6236円 |
8千円前後の上位機種の特徴は、保温または温度調節機能です。本製品には7段階(60~100℃)の温度調整機能と、60分間の保温機能が搭載されています。さらに、Ag+(銀イオン)配合の抗菌素材を使用することで、低温度での雑菌の繁殖を防ぐ工夫が講じられています。また、本体部分が一般的な電気ケトルの形状のため、後述するハンドドリップ型より用途が万能です。
転倒時の湯こぼれ防止機能が無いのは気になりますが、象印やタイガーの保温機能のみの製品より低価格なのは魅力です。
この製品の良いところ
- 7段階の温度調節と、60分間の保温が可能
- 温調機能付きには珍しく、本体部分の形状が一般的
- フタは取り外し可能でお手入れに便利
- Ag+(銀イオン)配合の抗菌素材を使用
- 実勢価格は6千円強でコスパが高い
ここは改善を希望です
- 転倒時の湯こぼれ防止機能が無い
- 台座部分がいまいちスタイリッシュではない
なお、温度調節機能は便利ですが、日本茶や粉ミルクなどに最適な70度では、塩素が残留している可能性があります。美味しさと安全性にこだわるなら、保温機能のみの製品でも構わないでしょう。
おすすめ 象印 CK-AX08/AX10 1時間の保温機能付きで蒸気レス
象印 電気ケトル 0.8L 沸騰後1時間90℃保温 コーヒードリップ用機能付き ブラック CK-AX08-BA – 象印マホービン (ZOJIRUSHI) Amazon’s data(2021.03.22現在) レビュー数 157件・参考価格 9139円 |
保温機能付きの電気ケトルでは、象印のCK-AX08がイチ押しです。下位機種と比較して、目玉の保温機能のほか、完全蒸気カット(蒸気レス)機能や改良版の注ぎ口など、本体部分の作りの良さが特徴です。
機能 | CK-AX08(本製品) | CK-HB08(下位機種) |
湯こぼれ防止 | 搭載 | 搭載 |
保温機能 | 60分保温機能 | なし |
蒸気カット | 完全蒸気レス | 90%カット |
注ぎ口 | 改良版 | 標準 |
ハンドドリップモード | 対応(切り替え式) | なし |
その他 | 沸とうメロディー 内部フッ素加工 カルキとばしコース | なし |
また、メタリック素材を組み合わせたデザイン性の高さも魅力で、本体部分に保温機能を内蔵することで台座が小型なのも見逃せません。細かいところでは沸とう時のメロディー機能など、考えつく限りの機能が詰め込まれている製品です。
性能的には非の付け所がありませんが、電気ポットと変わらない価格だけがネックでしょう。
イチ押し シロカ SK-D171 普段使いにも適したサイズ・デザイン・価格
Amazon’s data(2021.03.22現在) レビュー数 112件・参考価格 7200円 |
こちら、コーヒーをハンドドリップで淹れるための電気ケトルです。趣味性の高いジャンルなので気に入ったものを買うのがベストですが、普段使いもしやすい0.8Lタイプの本製品をオススメします。ちなみに、バルミューダの「ザ・ケトル」も人気ですが、実勢価格1.5万円にして保温や温度調節機能が無く、サイズも0.6Lと小さめなのでご注意ください。
本製品の温度調節機能は1℃刻みで設定でき、設定温度到達後は最大60分まで保温可能です。さらに、沸とう後に設定温度で保温も可能なので、赤ちゃんのミルク作りなどに便利です。
ハンドドリップ型の電気ケトルは高額な製品もある中、温度調節機能付きでも割高感の無い価格設定は好感を持てます。また、注ぎ口が細すぎず普段使いしやすいデザインは、ハイセンスな白物家電で定評のあるシロカらしい製品です。
この製品の良いところ
- 1℃刻みで温度調節が可能
- 最大60分まで保温が可能
- 沸とう後に設定温度で保温が可能
- ハンドドリップ型には珍しい0.8Lサイズ
- 注ぎ口が細すぎず、普段使いしやすいデザイン
- フタは取り外し可能でお手入れに便利
- 温度調節機能付きで割高感の無い価格設定
ここは改善を希望です
- 転倒時の湯こぼれ防止機能が無い
- 出力が900Wでやや非力
電気ケトルの選び方とおすすめは、以上となります。記事執筆前は、ハンドドリップ型はいまいちと思っていましたが、シロカの製品は機能的にコナレ感があり、コスパ面でも優秀だと思っております。