2024’完全図解!東プレRealforce全111製品の比較と選び方

こんにちは、ひかぱんです。

今回は、高級キーボードの代名詞、東プレRealforceのベストバイを検証していきますね。

実は筆者、デスクトップPC用のキーボードは大好物のアイテムで、HHKB、東プレ、ロジクールなどの上位機種はひととおり購入しています。今回は東プレRealforceを比較検討していきますが、「何がどう違うのかサッパリ分からない!」という声を多く耳にします。この記事を読んでいただければ、必ず、ベストな一台に出会えるはずですよ。

ひかぱん
理論上は摩耗劣化しない「静電容量無接点方式」が東プレの魅力です。打鍵感に定評のあるHHKBにキースイッチを部品提供しているのも東プレです。

なお、キーボードについては他にも書いていますので、あわせてお読みいただければ幸いです。

本記事の推定読了時間は6分です。「そんな長ったらしいレビューは読みたくねえっ」という方のために、先にベストバイだけネタバレしておきます。

東プレRealforceのベストバイには、旧製品(第2世代)をオススメします。歴代最もコンパクトで英語配列ほか種類が豊富なこと、また、最新機種ではBluetooth接続が搭載されたものの、やはりワイヤレス技術ではロジクールに及ばないことが理由です。さらに、電子部品の少ない有線接続のほうが、製品寿命においても有利です。

また、第2世代は種類が多すぎて悩むところですが、①テンキーはあったほうが無難、②キー荷重は変荷重か45g等荷重が無難、③アクチュエーションポイントチェンジャー(APC)はマニアックなので不要、④出費を抑えたいなら非静音モデルは3千円ほど安い、ということになります。これらの条件に合致するのが下記のモデルです。

万人向けのベストバイ

【特報】新型Realforceが「ふるさと納税」で手に入るゾ!

さて、本題に入る前に、なんと東プレRealforceが「ふるさと納税」で入手可能です。しかも、無線接続が可能な新型の第3世代!神奈川県相模原市の返礼品で、記事執筆時点で楽天のみ取扱いとなっています(ふるさとチョイスやふるなびでは掲載無し)。

ふるさと納税で入手可能な製品一覧

なお、ふるさと納税で貰える製品は以下のとおりです(記事執筆時点)。寄付額に対する還元率は、上限一杯のほぼ30%と優良です。

ふるさと納税で貰える製品(オススメは赤字)

  • R3HA11(45g、10キー付)
  • R3HA12(変荷重、10キー付)
  • R3HA13(30g、10キー付)
  • R3HC11(45g、10キーレス)
  • R3HC12(変荷重、10キーレス)
  • R3HC13(30g、10キーレス)
  • R2TLA-JP4G-BK(RGB付、10キーレス、これだけ第2世代)
ひかぱん
第3世代を貰うのに必要な寄付額は107,000円からなので、年収600万円以上が目安。個人的にはスタンダードな「R3HA12」がおすすめ。

なお、第3世代の発売により2022年度から返礼品のラインナップが一新されました。2021年までは英語配列の製品ばかりで選びにくかったのと対照的に、主力機種が勢揃いとなっています。

【図解】1分でしっかり分かる!東プレRealforceの選び方

さて、何事も基本が肝心です。東プレRealforceを購入する際のポイントとして、「製品ラインナップの特徴」を押さえておきましょう。

2001年販売開始の東プレRealforceは、最新の第3世代(R3シリーズ)が2021年に発売されました。現在は第3世代と第2世代(R2シリーズ)が併売状態となっています。

新旧世代の機能比較は下表のとおりです。

こちらのサイトをご覧の方にはよくご存知のとおり、第3世代では待望のBluetooth搭載となり、破損原因になりやすいケーブルが着脱式となるなど、旧機種から買い換える価値のある機能強化となっています。価格は1万円ほど跳ね上がりましたが、HHKBの最上位モデル(Type-S)の価格に合わせてきたなという印象ですね。

一方で、これまでも「デカい!重い!」と言われてきた東プレRealforceですが、第3世代ではさらに巨大化したのは残念としか言いようがありません。せっかく第2世代でスリム化したのに、フットプリントは第1世代に逆戻りとなりました。筆者は第1世代持ちですが、とても片手で持ち上げられない重さです(Macbookと同じくらいの重量と言えば伝わるでしょうか?)。

変荷重とは?

東プレRealforceの変荷重モデルでは、キー荷重が一律ではありません。巷の噂では諸説ありますが、筆者がメーカーに問い合わせたところでは、以下のとおりとなります。

  • 主に人差し指で押すキー ⇒ 45g
  • 小指で押すキー ⇒ 30g
  • ESCとNumLock ⇒ 55g

また、Bluetooth接続は一度使うと手放せない魅力があるものの、無線化と巨大化がコンセプトとして両立するのかは疑問であり、ワイヤレスが不要なら第2世代を選ぶのも十分にアリだと思っています。そもそも、ワイヤレス性能ならロジクール一択だろwという部分もあり、筆者愛用のKX800の2倍以上のお金を出して第3世代Realforceを購入するのは躊躇せざるをえません(基本的にキーボード大好きなので買ってもいいんですが迷い中)。

ところで、「今後は第2世代から第3世代への移行が進むのか?」については、第3世代の売れ行き次第となりそうです。よく比較されるHHKBがマニア向けに少量売れればOKなのに対し、正統派キーボードのRealforceはそれなりの台数を売りたいはず。第3世代はファン待望のワイヤレスモデルとなったものの、3.5万円という価格設定が一部の熱心なファン以外に受け入れられるかは微妙です。

第3世代Realforceのラインナップと選び方

第3世代は2021年11月の販売開始時点で、下表の20機種がリリースされました。すべて日本語配列なのは前述のとおりで、英語配列やMac専用モデルが必要な人向けに第2世代が併売されています。

さて、第3世代Realforceの選び方ですが、上の表のとおり「最上位機種を買え!」と言わんばかりの偏ったラインナップのため、素直に従ってみるのが無難でしょう。

最上位機種はキー荷重が複数あるので初めての人は悩みますが、おそらく変荷重モデルが人気かと思われます(筆者所有の初代Realforceも変荷重モデルです)。テンキーの有無による価格差も440円なので、省スペースが最優先でなければコスパ的にもフルキーボードが正解です。ビジネス用途ならテンキーは必須でしょうね。

少しでも出費を抑えたいなら、1割ほど安い非静音モデルをどうぞ。ただし、一番売れているはずの変荷重モデルが無いのと、打鍵音は普通にカチャつくのでご注意を。筆者は仕事場でHHKBのType-Sを使用していますが、静音設計はやっぱり静かですよ。

ただし、「一生モノ」のつもりでRealforceを買うのであれば、安易に第3世代に飛びつくのは得策ではありません。ワイヤレス技術はライフサイクルが短いため、Bluetooth5.0が10年先まで後方互換される保証はありません(ちなみに、USBは1.0がいまだに使えるのに対し、Bluetoothは3.0以前との後方互換がありません)。また、Realforceは高耐久・長寿命が売りでしたが、精密部品が増えるほど故障リスクも高まります。もっとも、筆者自身も「一生モノだから♪」などと口では言いつつ、新しいものが出たらサッと乗り換えるのが常なので、素直に欲求に従うのも幸せかと思います。

第2世代Realforceのラインナップと選び方

続いて、現在も併売中の第2世代Realforceのラインナップと選び方です。

上でも書いたように、高耐久・高寿命な「一生モノ」を選ぶなら、第2世代Realforceがオススメです。第3世代よりコンパクトなのも大きな魅力となります。

図解1 第2世代Realforceの製品ラインナップ早見表

まずは、第2世代Realforceの製品ラインナップをベン図で図解してみます。これを見れば、約70種類のラインナップの中から、自分に必要な製品を絞り込めます。

上図のとおり、第2世代のラインナップは、3つの機能の組み合わせの違いしかありません。オススメの構成は後で説明しますが、ベース設計がしっかりしているので、第2世代はコスパ重視で選ぶのが基本です。(ちなみに、赤枠部分の製品は第3世代にモデルチェンジしました)

ひかぱん
第2世代Realforceは製品数が多いわりに機能差は少ないので、積極的に上位機種を狙うメリットはありません。

東プレRealforceにはワイヤレスモデルが無い!

上の図を見て、「Realforceにはワイヤレスは無いんだ」と気づいたなら鋭い。よく比較対象にされるHHKB(PFU)やMajestouch(Filco)にBluetooth接続モデルがあるのに対し、東プレRealforceには有線接続しかありません。まあ、無線キーボードの分野ではロジクールが強すぎるので、ラインナップにワイヤレスを入れない東プレの判断は正解かと。
(追記)第3世代Realforceでワイヤレスモデルが発売されました。

東プレRealforceの3/4は英語キー配列

もう一つ見落とせないポイントは、第2世代Realforceの3/4は英語キー配列だということです。日本語は漢字変換が必須であるため、Enterキーの小さい英語配列は基本的にお勧めしません。70製品から選ぶとなると混乱しそうですが、日本語キー配列に限れば一気に選択肢を絞れますね。

図解2 万人向けのオススメ構成 基本品質が高いので、コスパ重視で選ぶのが基本です

第2世代Realforceの製品ラインナップは約70種類もあって悩みますが、万人向けのオススメ構成がこちらです。

上記の条件で絞り込むと、たった1製品(R2-JP4-BK)しか残りません。カラーはブラックのみなので、白系のアイボリーが好きな人は、キー荷重が可変動の「REALFORCE / R2-JPV-IV」を選んでください。

万人向けのベストバイ!

 
B075R33K2H

ここがポイント

10キー付きのスタンダードモデル。東プレRealforceは基本品質が高いので、コスパ重視で選ぶのが正解。

Amazon’s data
(2021.01.26現在)
レビュー数 306件・参考価格 23501円
 

唯一悩むのが静音機能だがコスパが悪すぎる

ちなみに、機能の取捨選択で唯一悩むのが静音キーですが、静音キーの有無による価格差は6千円ほどでコスパが大幅に下がります。静音性はキーストロークに比例するので、静音性を極めたいならアイソレーションキー(ロジクールなど)を検討したほうがベターです。

図解3 第2世代Realforceの型番早見表 東プレマニアなら型番だけでスペックがわかる

第2世代Realforceの型番では、製品のスペックが英数字に置き換えられています。下の型番早見表を頭に入れておけば、型番からスペックを特定できて便利です。

ひかぱん
ちなみに、型番末尾の「IV」の意味は、ローマ数字の4ではなく、本体色の「アイボリー(ivory)」を表しています。

いま人気 ほぼRealforceで無線対応の「AKEEYO Niz」 東プレRealforceのオプション機能とBT接続を標準搭載しつつ低価格

静電容量無接点方式では王座に君臨してきた東プレRealforceですが、ここにきて強力な対抗製品が出てきました。

スペック最強で低価格

AKEEYOという中国ブランドの製品ですが、東プレRealforceとの機能比較をご覧ください。東プレRealforceのオプション機能を標準搭載しつつBluetooth接続も付いて低価格なのだから驚愕です。実際、Amazonの評価もすこぶる優秀です。

しかも、Fキー無しの66キーモデルもラインナップしており、HHKBの対抗製品としても有力です。84キーモデルは66キーモデルにFキーを加えたものなので、Fキーが無いためにHHKBを諦めていた人には朗報かと。難点と言えば日本語モデルが無いところだけですね。

【詳しく】東プレRealforceの機能や特徴をサクッと確認

続いて、東プレRealforceの機能について確認していきます。まあ、なんと言っても、東プレRealforceの特徴と言えば、静電容量無接点方式の耐久性ですね。

静電容量無接点方式キーボード 業務用では圧倒的シェアの高耐久キーボード

東プレRealforceの最大の特徴がコレ。安物メンブレン方式のキーボード寿命が1000万打鍵なのに対して、現行Realforceでは5000万打鍵の超長寿命を実現しています。現状、静電容量無接点方式が欲しければ、東プレRealforceか、東プレがOEM提供しているHHKB(PFU)の二択となります。

静電容量無接点方式が長寿命な理由

静電容量無接点方式では、キーを押したときの静電容量(スイッチ内の電気量)の変化によりキー判定します。デリケートで高コストな構造ですが、他の方式のキーボードのように基盤との接点を必要としないため、接点の摩耗によるチャタリング(二重入力)などの障害が発生しません。

結局のところ、東プレRealforceの値段の高さは、製品寿命にお金を払っていることになります。業務用ではメンテナンス費用との相殺でコストを圧縮できますが、個人使用では「壊れたら買い替え」のほうが確実に経済的です。

ひかぱん
もともと東プレの高耐久キーボードは銀行などの業務用で圧倒的シェアを持っていて、2001年に満を持して個人向けに販売されたのがRealforce。発売開始から1年間は入荷即完売だったのは懐かしい。

世界初の静電容量無接点方式マウスも販売開始

キーボードでお馴染みの東プレが、世界初の静電容量無接点方式マウスの販売を開始しました。マウスは一部のボタン(左クリック)に操作が集中するため、キーボードとは比較にならないほど壊れやすいデバイスです。ロジクールのMXシリーズを超える高額製品ですが、耐久性と静音性では現時点でNo.1の選択肢となります。

Nキーロールオーバー 厳密には「同時押し」とは意味が違います

「Nキーロールオーバー」とは、(他のキーを押したままでも)最後に押したキーが認識される仕組みです。早打ちが必要なタイピストやゲーマーには必須の機能で、同価格帯のキーボードにはまず搭載されています。

ちなみに、PCには「直近6キーより前のキーは順に離されている」と認識されているため、同時押しという意味では6キーが上限です。これは、USB機器のデータ転送量(1度に8byteまで)による制限で、このため厳密には「Nキーロールオーバー」と「同時押し」は意味が異なります。

7キー以上の「同時押し」が必要なら

Microsoftのゲーミングキーボード「SideWinder」では、PCに2つのキーボードデバイスとして認識させることで、「26キー同時押し」が可能です。また、PS/2接続には8バイト制限が無いため、理論上は全キー同時押しが可能です。

静音キースイッチ 効果はあるが静音最優先なら他をあたるべし

製品型番に「S」の含まれる機種には、静音タイプのキースイッチが搭載されています。標準キーと静音キーの違いは、金属バットと木製バットのようなイメージで考えればOK。人間の聴覚感度の高い中音域(800Hz~2kHz)を抑えることで、耳障りにならない打鍵音を実現しています。おそらく同等のキースイッチを採用しているHHKB公式によれば、打鍵音が30%ほど軽減されているようです。

ただし、本製品のようにキーストロークの長いキーボードでは、絶対的な静音性では不利となります。静音性を最優先するなら、ロジクールのK295のような製品をあたりましょう。

タイピング音を90%軽減

アクチュエーション・ポイント・チェンジャー(APC) 設定も面倒なのでガチゲーマー以外はガン無視でOK

製品型番に「A」の含まれる機種には、「アクチュエーション・ポイント・チェンジャー(APC)」が搭載されています。APCとは、キー入力を判定するストロークの深さを調整するマニアックな機能です。キーごとに設定を変えられますが、設定に専用ソフトが必要というのが難点です。

ひかぱん
ガチゲーマーが誤入力を防ぐために3mm設定を使ったりするけど、一般ユーザーには全く必要ありません。

キースペーサー 早打ちが可能になるが、取り付けは激しく面倒

東プレRealforceには、キーストロークを浅くするためのスペーサーを同梱しています(2mmと3mmの2種類)。通常より底打ちまでの距離が短くなるので、タイピング速度の向上に有効です。

ただし、スペーサーの設置には、キーを全て取り外す必要があります。早打ちを最優先するのであれば、キーストロークの短いパンタグラフ式のキーボード(ロジクールなど)をおすすめします。

東プレRealforceについては以上となります。

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