電動自転車2024【決め手はバッテリー性能】国内3大メーカー77車種からベストバイを選ぼう

今回は、電動アシスト自転車の国内3大メーカーであるPanasonic、ヤマハ、ブリジストンの全77車種から、ベストバイを検証していきますね。

こちら、日常生活のマストアイテムですが、「何がどう違うのかサッパリ分からない!」という声を多く耳にします。この記事を読んでいただければ、必ず、あなたのベストバイが見つかるハズですよ。

ベストバイは Panasonic「ビビ・DX」に決定

「長ったらしいレビューは読みたくねえっ!」という方もいらっしゃると思うので、先にベストバイとセカンドバイを書いてしまいます。ここだけでも読んでください(滝汗

1人乗り電動自転車のベストバイは、Panasonicの「ビビ・DX」です。

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レビュー数 5件・参考価格 115800円
 

電動アシスト自転車は、自転車にモーターとバッテリーを積んだだけのシンプルな製品だけに、機能的な特徴を打ち出しづらい製品です。

その中で、たった一つだけ、客観的に比較可能な性能差が出るのが「バッテリー性能」です。

各社主力モデルのバッテリー容量と価格を比較すると、下表のとおりPanasonic製品のコストパフォーマンスが光ります。

やっぱりパナ最強!

メーカーモデルバッテリー容量走行距離定価
Panasonicビビ・DX16.0Ah70km12万6,000円
ヤマハPAS With SP15.4Ah66km16万1,700円
ブリジストンフロンティア デラックス14.3Ah105km ※14万7,000円

バッテリーを自社生産できるPanasonicは、バッテリー容量がピカイチであり、かつ、市場シェアの半分を握るトップシェアメーカーであるため、コストパフォーマンスも最強です。なお、バッテリー性能の弱いブリジストンの走行距離が長いのは、「走りながら自動充電」機能でバッテリーを継ぎ足しているためです(その分だけ価格も割高)。

ポイント

Panasonic製品はバッテリー容量とコストパフォーマンスが優秀なので、「迷うならパナ」と考えておけば間違いありません。

子供乗せモデルもPanasonicが強い

さらに、子供乗せモデルのベストバイも、Panasonicの「ギュット・アニーズ・DX」です。

こちらの車種も大容量16.0Ahバッテリーを搭載し、他社製品より1万円ほど低価格なコスパ優秀車種となっています。なお、子供乗せモデルは一人乗り自転車に比べると価格差は小さいです。

ちなみに、チャイルドシートは付け替えが可能なので、最初に前乗せタイプを購入し、あとから後部シートを追加購入するといったカスタマイズももちろんOKです。

セカンドバイに厳選3車種

さらに、セカンドバイとして3車種をピックアップします。それぞれに強力な特長があり、ベストバイ以上に「買い」かもしれません。

メーカーモデル特長
Panasonicビビ・EXスマートキー「ラクイック」搭載の最上級モデル(筆者愛用)
Panasonicビビ・SXコスパ最強。駅前までのチョイ乗りならコレ!
ブリジストンピッケ ポーラー前乗せタイプの子供乗せ自転車では最も安い

まず、筆者も愛用中の「ビビ・EX」です。ベストバイの「ビビ・DX」より3万円も高いのがネックですが、スマートキー「ラクイック」は心の底から便利!鍵穴にキーを挿す手間が省けるので、予算に余裕があるなら買って悔い無し。

同じくPanasonicの「ビビ・SX」は、実勢価格8.5万円の高コスパモデルです。片道1kmくらいのチョイ乗りなら十分で、この価格で8.0Ahバッテリー搭載はPanasonicだけ!

ブリジストンからは、子供乗せモデルの「ピッケポーラー」がお勧め。基本的にコスパはパナが最良ですが、前乗せチャイルドシート搭載車種の中では、ピッケポーラーが最安です。

国内3大メーカーの特長

電動自転車の国内3大メーカーと言えば、Panasonic、ヤマハ、ブリジストンの3社です。それぞれの特徴をザッと確認してまいりましょう。

《Panasonic》電動自転車業界の最大手はPanasonicです。市場シェアの半分を握る圧倒的なマーケットリーダーです。Panasonicの強みは、電動自転車のキーパーツであるアシストユニット、バッテリー、フレームを自社生産できることでしょう。その分だけ製品のコストパフォーマンスが高いことは後半で説明します。

《ヤマハ》ヤマハとブリジストンの業界シェアはあまり変わりません。ヤマハの特長はモータースポーツで培ったデザイン性の高さですね。実際のところ、店頭で見比べるとヤマハの電動自転車はちょっとだけカッコいいです。

《ブリジストン》Panasonicとヤマハに比べて「決め手」に欠けるブリジストンですが、「走りながら自動充電」という独自機能を搭載しています。どちらかと言うとマニア受けする、「小技で攻めるメーカー」という印象があります。

ポイント

フレームからアシストユニットまで自社生産できるPanasonicが有利なのは当たり前。迷ったらPanasonicを選べ!というのが、メーカー選びのポイントです。

電動自転車を選ぶポイント

では早速、具体的な比較検討に移ります。

個別製品の比較を行う前に、まずは電動自転車選びの視点(ポイント)を確認していきましょう。

1人乗りモデル or 子供乗せモデル

電動自転車選びで最初の分岐点になるのが、「1人乗りモデルか子供乗せモデルか」の選択です。

「子供乗せモデルってチャイルドシートを積んでるだけでしょ?」と思いがちですが、下の比較画像のとおり、車体フレームの構造が全然違います。どちらもPanasonicの製品で、上が子供乗せモデル(ギュット・アニーズ)、下が1人乗りモデル(ビビ)となります。

違いは一目瞭然!

これはもう、一目瞭然ですね。

子供乗せモデルは、チャイルドシートを低い位置に設置するため、車輪が小口径になっています。ハンドルとサドルの間のスペースにも余裕があるため、運転者の乗り降りもラクラクです。

逆に、子供乗せモデルのデメリットは、車輪が小さいため段差走破性が低く、直進安定性にも欠けます。要するに、安全面では1人乗りモデルに劣るということです。急な段差や、高速運転時の急ハンドルには注意してください。

このように、1人乗りモデルと子供乗せモデルとでは、車体の作りがまるで別物なので、「子供が大きくなったらチャイルドシートをはずして使おう」と考えている方は注意してください。子供乗せモデルからチャイルドシートを取り外しても、1人乗りモデルと同じものにはなりません。

バッテリー性能

電動自転車のメカニカルな性能で重要なのは、加速性能ではなくバッテリー性能です。バッテリー性能は1回の充電で走れる距離の目安なので、日々の使い勝手に影響します。

バッテリー性能は数値化できるため、製品間の性能差がハッキリと出ます。電動自転車のベストバイを検討する上で、絶対に見逃せないのがバッテリー性能なのです。

しかも、バッテリー性能は「業界統一テスト」が実施されているため、信憑性の高い製品スペックです。


業界統一テストによるバッテリー性能の計測方法

また、当然と言えば当然ですが、高級機種ほど大容量のバッテリーを積んでいます。そして、バッテリー容量が大きいことによるデメリットは無いので、予算の許す限り、バッテリー容量の大きい製品を選びましょう。

ちなみに、価格帯別に標準的なバッテリー容量は以下のとおりです。

価格帯バッテリー容量
高級機種15Ah~
標準製品12Ah~
普及価格帯6Ah~

走行距離の目安として、中価格帯製品の通常モードの場合、カタログ値では50キロくらい走ります。坂道や段差の多い道、信号の多い市街地では、それほど走りません。(ちなみに、1リッターあたり40km走ると謳われているプリウスでも、市街地では20km前後しか走りません)

あると超便利なスマートキー

製品間の細かな違いは後半で比較していきますが、これだけは便利なので先に紹介します。

Panasonicの最上位機種(EXシリーズ)のみに搭載されている「ラクイック」という機能です。

最近の自動車ではスマートキーが当たり前になりましたが、それと同じ機能がラクイックです。

ラクイック搭載機種であれば、自転車の鍵(スマートキー)をバッグの中にいれたままでも、サドル部の電源ONと同時に車輪ロックが解除されます。

ラクイックがあれば、自転車の鍵穴にガチャガチャする必要はありません。こうしたオマケ機能で製品選びをするのは禁物ですが、ラクイックだけは別格です。自分も実際に購入して使っていますが、乗り降りのたびに便利さを実感しています。ラクイックのためにPanasonicのEXシリーズを指名買いする価値があります。

身長160cm以下の人は「適応身長」に注意

また、どれだけカッコいい電動自転車であっても、自分の身体にフィットしない製品は避けるのが鉄則です。

注目してほしいのは、カタログに小さく書かれた「適応身長」です。

モデル適応身長(下限)
子供乗せ、通勤・通学モデル140cm前後~
お洒落系、スポーツタイプ150cm前後~

たった10cm程度の違いですが、甘く見てはいけません。

例えば、Panasonicのスポーツモデル「ベロスター」の場合、適応身長は149~185cmとなっています。

「149cm以上なら女性でも大丈夫では?」と思うかもしれませんが、身長180cmの筆者でも乗り降りするときはつま先立ちになります。もしも身長149cmの方が乗ったとしたら、運転はできても、乗り降りが大変だと思います。

「トップチューブ」に注意

矢印で示した部分は「トップチューブ」と呼ばれるパーツです。フレームにトップチューブのあるスポーツモデルの場合、乗降時に片足を高く上げる必要があります。したがって、トップチューブのある製品は適応身長が高い、このことは覚えておいて損はないでしょう。

意外に重要ではない加速性能

電動自転車の購入希望者の多くは、加速性能が最も重要なスペックだと考えていると思います。

しかし、電動自転車の動力性能には法規制があるため、加速性能を青天井に高めることはできません。自転車には免許制度が無いので、道路交通上の安全を考えれば当然です。

家電量販店の自転車メカニックにレクチャーを受けたところ、10万円以上の高級機種の場合、加速性能の違いに体感差は無いとのことでした。ヤマハの一部モデルでは加速性能を強くアピールしていますが、値段なりの違いがあるかは、ぜひ試乗して確認してみてください。

個別製品の特長と比較

ここからは、個別製品の特長などを比較しつつ、ベストバイを検討していきたいと思います。

Panasonic

まずは業界トップシェアのPanasonic製品から検証していきましょう。

Panasonic製品の特長は、他社の追随を許さないバッテリー性能と、便利すぎるオマケ機能「ラクイック(スマートキー)」です。

バッテリー性能とコスパで圧倒的に優秀

Panasonicの電動自転車の特長は、なんと言ってもバッテリーです。

Panasonicのおすすめ

  • バッテリー容量が大きい
  • コストパフォーマンスが良い
  • ラクイックが便利すぎる

まず一番のポイントは、バッテリー容量の大きさです。

Panasonicは多くの機種で16.0Ahバッテリーを採用していますが、ヤマハ・ブリジストンは15.4Ahが最大です(しかも、最上位機種など一部製品にしか搭載されていません)。

また、Panasonicでは廉価モデルにも8.0Ahバッテリーを搭載しており、ヤマハ・ブリジストンの6.2Ahより30%もバッテリー容量が多いです。低容量クラスでの30%は大きな違いなので、廉価モデルを買うならPanasonic以外に選択肢はありません。

さらに、Panasonicはバッテリーを自社生産できるためコスパが良く、定価10万8,800円の普及モデル「ビビ・L」にも16.0Ahバッテリーを搭載しています。(価格は税抜き、以下同じ)

バッテリー容量でコスパを比較すると、Panasonicはヤマハ・ブリジストンより3万円ほど低価格となっています。このコスパの良さこそ、Panasonicがトップシェアを誇る理由です。

ポイント

電動自転車のスペックで、客観的に比較可能な要素はバッテリー性能だけ。Panasonicのバッテリーは、容量もコスパも最高です!特に廉価モデルならPanasonicが正解。

スマートキー機能「ラクイック」が便利すぎる

基本性能以外で注目すべきなのが、スマートキー機能「ラクイック」です。

ラクイック搭載機種なら、鍵をバッグに入れたままでも、電源オンでロック解除が連動します!

感動的な便利さ!

これは一度使うと手放せなくなる便利さです。ラクイックがあれば、乗り降りするたびに、鍵をガチャガチャする煩わしさ(わずらわしさ)から開放されます。

非常に便利なラクイックですが、唯一のネックが価格です。ラクイック搭載の「ビビ・EX」は、非搭載の下位機種「ビビ・DX」に比べ、定価ベースで2万7,000円も高くなります。

この価格差は悩ましいところです。しかし、実際に自分もラクイック搭載の「ビビ・EX」を購入しましたが、奮発して大正解だと思っています。これはオススメです。

ポイント

スマートキー機能「ラクイック」は、最強すぎるオマケ機能。ラクイック目当てで指名買いするのも全然アリ、というくらい便利です。

車重がやや重い

Panasonic製品でマイナスの特徴を一つ挙げるならば、バッテリー容量が大きいこともあり、他の2社に比べて車体が重いことでしょう。

26インチの1人乗りモデルで車体重量を比較すると、パナ製品は1割ほど重いことがわかります。

メーカーモデル重量
Panasonicビビ・DX29.2kg
ヤマハPas with SP26.6kg
ブリジストンアシスタFD26.4kg

Panasonicもこの点は心配しているのか、業界最軽量19.9kgの「ビビ・SL」をラインナップに加えています。大きな段差などで自転車を持ち上げる機会の多い方は、少し頭に入れておきたいスペックです。

製品ラインナップ

Panasonic製品のラインナップは、子供乗せモデルの「Gyutto(ギュット)」と、買い物向けモデルの「V!VI!(ビビ)」、通学通勤モデルの「TIMO(ティモ)」となっています。

子供乗せモデル

子供乗せモデルの「ギュット」シリーズ。4歳未満(身長100cm以下)なら前乗せの「クルーム」、6歳未満(身長115cm以下)まで長く乗れる後ろ乗せの「アニーズ」があります。

モデル定価バッテリー特徴
ギュット・クルーム・EX18万9,000円16.0Ah前乗せタイプ。DXとの違いは「ラクイック」。
ギュット・クルームR・EX18万4,000円16.0Ah後乗せタイプのEX。ラクイック搭載。Combiコラボで幌付きのチャイルドシート。「カルパワードライブユニット」搭載で1kgほど軽い。エコナビ非搭載
ギュット・クルーム・DX17万2,000円16.0Ah前乗せモデルの標準機種。
ギュット・クルームR・DX16万4,000円16.0Ah前乗せタイプのDX。ラクイック以外の特徴はEXと同様
ギュット・アニーズ・DX15万9,800円16.0Ah後乗せモデルの格安モデルで非国産。
ギュット・アニーズ・DX・2615万9,800円16.0Ah後乗せモデルで、これだけ26インチ。チャイルドシートを外せば一人乗り自転車として活用可

「ギュット・クルーム」と「ギュット・クルームR」は、単に前乗せ・後乗せの違いではなく、構造やモーターユニットも違います。「ギュット・クルームR」はエコナビ非搭載ですが、車体が軽いため、かえって長距離走行が可能です。

コスパ重視なら「ギュット・アニーズ・DX」となりますが、4千円の価格差を考えると、国産で車体が2.5kgも軽い「ギュット・クルームR・DX」を選ぶほうがベターかと思います。

なお、保育園の送り迎えなどで、一日に何度も自転車に乗り降りする人は、スマートキー機能「ラクイック」を搭載したEXシリーズがお勧めです。わたしもラクイック搭載機を使っていますが、鍵無しで後輪を解錠できるのは非常に便利です。

買い物向けモデル

コスパ重視の買い物向けモデル。主力は「ビビ・EX」と「ビビ・DX」。「ビビ・L」は軽量タイプ、「ビビライフ」はユニークな三輪タイプでお年寄りにも安心です。

モデル税抜き定価バッテリー特徴
ビビ・EX15万7,000円16.0AhDXとの違いは「ラクイック」。筆者も愛用
ビビ・DX12万6,000円16.0Ahベストバイ!Panasonicの主力製品はコレ
ビビ・L12万5,000円12.0Ah軽量アルミフレーム採用機種(22.4kg)
ビビ・L・2012万5,000円12.0Ahこれだけ20インチの軽量モデル(21.3kg)
ビビ・SL12万5,000円8.0Ah業界最軽量の19.9kg
ビビ・SX9万8,000円8.0Ah業界最低価格の高コスパモデル
ビビライフ22万0,000円16.0Ah唯一の3輪タイプ
ビビ・L・押し歩き12万9,000円12.0Ah押し歩きモードを搭載し、歩道橋やスロープにも対応

Panasonicの主力機種「ビビ・DX」は高コスパで死角なし。予算があるなら「ラクイック」搭載の「ビビ・EX」もオススメ。筆者も自腹購入で愛用中ですが、スマートキーは便利ですよ!

セカンドバイ

また、片道1kmくらいの近距離移動が中心なら、圧倒的コストパフォーマンスの「ビビ・SX」が最強。実勢価格8.5万円は業界最安値!

ポイント

低価格モデルでは、ヤマハの「PAS Cheer」とブリジストンの「アシスタ U STD」が競合車種ですが、ヤマハは実勢価格が1万円高く、ブリジストンはバッテリーが6.2Ahと非力です。

通学通勤モデル

通学通勤モデルの「ティモ」は、デザインや機能を重視した一人乗り自転車です。ブレーキケーブルをフレームに隠す構造は他社ではほぼ標準仕様ですが、パナではティモとスポーツモデルのみで採用されています。

モデル定価バッテリー特徴
ティモ・A13万5,000円16.0Ahカルパワードライブユニット搭載で、ティモシリーズの中では軽量
ティモ・L13万5,000円16.0Ah曲線フレームで柔らかめのデザイン
ティモ・S13万5,000円16.0Ahスポーティーなデザインのティモ
ティモ・DX13万5,000円16.0Ah5段変速付きだがブレーキケーブル露出で野暮ったいデザイン

価格は13万5,000円で統一されており、デザインにこだわりが無いなら「ビビ・DX」のほうが同等性能で1万円ほど割安です。

ヤマハ

続いてヤマハです。1993年に世界初の電動アシスト自転車「Pas」を開発したのがヤマハです。

ヤマハの製品ラインナップは、スポーツモデルが少ないことを除けば、Panasonicとほぼ同様です。製品名が「Pas」ブランドに統一されているため、製品名から車種を区別しづらいのが難点です。

ちょっとカッコいいデザイン性

走りの性能とは無関係ですが、「ちょっとカッコいい」のがヤマハの最大の特長です。

主力製品「Pas with」のデザインは、ヤマハスクーターの定番「スーパーカブ」を彷彿とさせます。車体フレームの曲線美は、ヤマハならではのデザイン性ですね。

さらに、ブレーキなどのワイヤーケーブルをフレーム内に隠す仕様も、多くの機種で採用しています。この仕様は、Panasonicの最上位機種「ビビ・EX」でも採用されていません。

ポイント

売り場で「ちょっとカッコいい」と思えるのは断然ヤマハ!コスパや小さな性能差より、デザイン性を重視するのもアリでしょう。

5ファンクションメーター

バイクメーカーらしさを出しているのが、手元の操作パネルですね。

操作パネルの情報量はとても豊富で、走行速度や残り走行可能距離まで表示してくれます。

ただし、自動車のようにスピード違反に注意する必要は無い(時速30キロも出ない)ので、速度計の実用性は高くないでしょう。

トリプルセンサーシステム

より快適なアシスト制御を可能とするため、第3のセンサーである「クランク回転センサー」を搭載しています。

「クランク回転センサー」は、坂道で絶え間なくアシストするための機能です。Panasonicとブリジストンはダブルセンサーなので、ヤマハの独自機能と言えます。

ただし、せっかくの独自機能ですが、現在ではあまりアピールされていません。結局のところ、アシストレベルを「強モード」にすれば、常に最大出力を得られることが理由かと思われます。

アシストレベルは参考程度に

ヤマハのカタログを見ていると、「アシストレベル」という他メーカーには無い表示があります。

こちら、星が多いほどパワーが強そうで、購入予定者としては非常に気になりますよね。

しかし、自転車売り場のメカニックによれば、「電動自転車の動力性能には法規制があり、売り場価格が10万円以上の高級機種では、ほぼ上限のアシスト性能を搭載しているはず」とのこと。

製品ラインナップ

ヤマハの製品ラインナップは、スポーツモデルが少ないことを除けば、Panasonicとほぼ同様です。

子供乗せモデル

身長100cm以下なら前乗せの「Pas Kiss mini」、身長115cmまで対応可能な後ろ乗せの「Pas Babby」があります。車輪サイズは20インチです。

基本的にヤマハはPanasonicよりコスパが悪いですが、製品名に「SP」の付いた上級モデルはパナ製品より低い価格設定となっています。バッテリーはパナ製品の16.0Ahより少し劣りますが、コスパは同等です。

モデル税抜き定価バッテリー特徴
Kiss mini un SP17万0,500円15.4Ah前乗せ。パナの「ギュット・クルーム DX」より少し安い
Babby un SP coord16万8,300円15.4Ah後乗せ。ハンドルとサドルにレザー風パーツを使用
Babby un SP16万5,000円15.4Ah後乗せ。パナの「ギュット・アニーズ・DX」より割高
Babby un14万7,400円12.3Ahチャイルドシートの無いモデル(別途購入して後付け)
Crew17万8,200円15.4Ah後乗せ。これだけ24インチで一人乗り時にも便利
スタンダードモデル(1人乗り)

1人乗りの主力製品が「Pas with」シリーズです。パナやブリジストンに比べて、女性的で垢抜けたデザインが特徴です。競合関係にあるパナの「ビビ」よりコスパで劣ります。

モデル税抜き定価バッテリー特徴
With SP16万1,700円15.4Ah16.0Ahバッテリーを搭載したパナ製品より3万円以上も割高
With DX13万4,200円12.3Ahレザー・籐風のカゴ・サドル・ハンドルを採用
With12万8,700円12.3Ahバッテリー容量が3.7Ahも多いパナの「ビビ・DX」より高い
Cheerオープン価格8.9Ahバッテリー増量でパナの「ビビ・SX」より長く走れるが1万円ほど高い
通学・通勤モデル

ヤマハの通学・通勤モデルは、デザインや機能面でのバラエティーが豊富です。

基本的にはWithシリーズよりスポーティーで都会的なデザインとなっており、電動自転車では珍しい5段変速や、ストレートハンドルを搭載したモデルもあります。

Withシリーズよりコスパはかなり良好で、パナより少し割高という程度です。

モデル税抜き定価バッテリー特徴
Ami14万0,800円15.4Ahレザー風パーツを使用。Withシリーズよりスポーティーなデザイン
RIN13万6,400円15.4AhAmiから装飾的なパーツを省いた男性的なデザイン
mina14万7,400円12.3Ahレザー風パーツの使用や荷台の無い垢抜けたデザイン
CITY-SP514万0,800円15.4Ah5段変速。ヤマハには珍しい無骨なデザイン
CITY-C13万2,000円12.3Ah20インチ。レザー風パーツを使った可愛いデザイン
CITY-X13万4,200円12.3Ah20インチ。ハンドルはストレートタイプ
CITY-V13万9,700円12.3Ah5段変速。ハンドルはストレートタイプ
Brace17万9,300円15.4Ah8段変速のマウンテンバイクタイプ

ブリジストン

最後にブリジストンです。ブリジストンは「小技」が多いので、スペックマニアにはたまりません。

両輪駆動システム

ブリジストンの電動自転車には、従来型の「センタードライブ」モデルと、新型の「デュアルドライブ(両輪駆動)」モデルがあります。

両輪駆動モデルには、後述する「走りながら自動充電」など、ブリジストンの独自機能が満載されています。購入するなら両輪駆動モデルを選んでください。

両輪駆動では前輪にモーターを設置しているため、人力で後輪を動かしつつ、モーターに「前から引っぱってもらえる」感じでアシストされます。

両輪駆動のメリットとして、原理的には坂道等での直進安定性が期待できると思います。

走りながら自動充電

ブリジストンの目玉機能が、「走りながら自動充電」機能です。

ブレーキ時に生じるエネルギーを蓄電することで、「4日走ると、最大1日分を充電できる」と謳われています。加えて、こまめな充電が行われることで、「バッテリー寿命が1.5倍長持ちする」そうです。

「走りながら自動充電」がカタログ値どおりに機能するならば、走行可能距離は28%伸びることになります。70キロ走るモデルであれば、90キロ近く走れるということです。

「あっ!トヨタのプリウスと同じ機能だ」

と思いませんか?上で書いた両輪駆動もそうですが、ブリジストンは自動車発想の「小技」を電動自転車に投入している印象があります。

注意ポイント

カタログ値では28%も長く走れる「走りながら自動充電」機能ですが、実使用では10%前後の燃費向上にとどまっています。(同社モニター調査)

2つの独自ブレーキシステム

さらに、ブリジストンはブレーキにも2つの独自機能を持っています。

まず1つ目は、「スマートコントロールブレーキ」。こちら、制動力の高い前輪ブレーキにより、雨天時の安全性を謳っています。

ただし、旧式のスマートコントロールブレーキについては、メーカーも認める問題点が指摘されています。型落ち車種を購入する場合は、十分に注意する必要があります。

2つ目の独自ブレーキ機能は、「モーターブレーキ」です。

こちら、下り坂では自動でブレーキが働き、スピードの出しすぎを抑えます。自動車を運転される方はピンとくるように、自動車のエンジンブレーキと同じ感覚です。

製品ラインナップ

ブリジストンの製品ラインナップは、1)子供乗せ、2)通勤・通学向け、3)買い物向けの3カテゴリーに大別されています。後述のとおり、子供乗せ自転車のコスパが非常に高いのが特徴です。

子供乗せモデル

ブリジストンの子供乗せモデルはコスパ良好です。「ピッケ ポーラー」は前乗せタイプでは最も安く、性能面で割り切った「アシスタC STD」は子供乗せモデル全体で最安となります。

また、自動充電機能搭載の「ピッケ グリ」と「ピッケ モブ」も、パナ製品(ギュット・アニーズ・DX)より8,000円高いだけで、一人乗りモデルに比べて良心的な価格設定です。

モデル定価バッテリー自動充電特徴
ピッケ グリ16万8,000円14,3Ah搭載後乗せタイプ。スタイリッシュなグリ
ピッケ モブ16万8,000円14.3Ah搭載後乗せタイプ。乗り降りしやすいフレーム
ハイディ ツー17万5,000円14.3Ah搭載後乗せタイプ。雑誌Veryとのコラボモデル
ピッケ ポーラー16万3,000円15.4Ahなし前乗せタイプ。フロントチャイルドシート標準搭載の中ではコスパ最良。
アシスタC STD14万8,000円12.3Ahなし後乗せタイプ。
通勤・通学向けモデル

全モデルで自動充電機能を搭載した、一人乗り自転車の主力製品です。パナやヤマハに比べて、若々しくスポーティーなデザインが特徴です。コスパではパナより割高なのでご注意ください。

モデル定価バッテリー自動充電特徴
アルベルト e16万1,000円14,3Ah搭載ハードな使用に耐えるハイスペックモデルだが、パナの大容量バッテリーモデルより3万円高いのが難点
カジュナ e15万2,000円14,3Ah搭載アルベルトから剛性感を省いた女性向けモデル。ベーシックラインとスイートラインは色違い。
ステップクルーズ e15万2,000円14,3Ah搭載スポーティーなデザイン。剛性感はアルベルトに劣る。
買い物向けモデル

買い物向けモデルは、ブリジストン独自の自動充電搭載車のほか、価格を抑えた「アシスタ」シリーズをラインナップしています。フレームを低くした「ラクット」は、一人乗りモデルの中では最も乗り降りしやすいのが特徴です。コスパは基本的にパナより劣ります。

モデル定価バッテリー自動充電特徴
イルミオ15万9,000円14,3Ah搭載雑誌「Story」とのコラボ。これだけ乗り降りがしづらく、しかも割高。
ラクット15万2,000円14,3Ah搭載自動充電搭載&乗り降りしやすい「ラクあし」モデル
フロンティア デラックス14万7,000円14.3Ah搭載自動充電搭載のスタンダードモデル
アシスタ U DX13万1,000円15.4Ahなしこれといった特徴が無く、コスパではパナ製品に完敗
アシスタ U LT12万9,000円12.3Ahなしアシスタ U DXに比べて3.5kg軽い
アシスタ U STDオープン6.2Ahなし8.0Ahバッテリー搭載のパナ製品(ビビ・SX)と比べるとコスパ的に厳しい
アシスタ ユニ プレミア12万9,000円12.3Ahなしこれだけ20インチ。乗り降りしやすく軽量なのが特徴

なお、「ラクット」と「アシスタ」の派生モデルとして、後部カゴ付きの3輪ワゴンタイプもラインナップされています。ただし、税込み定価が22万以上と高額となるため、いまいちターゲット客層が見えづらい製品ではあります。

来シーズンも電動アシスト自転車がさらなる発展を遂げるよう祈りつつ、今回は以上っ!

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