Nintendo Switch用にサSDXCカード(サムスン EVO Plus 256GB)を買い足したので、複数条件でベンチマークをとってみました。
結論から先に行ってしまうと、SDCXカードはすでに速度上限に達しているため、100MB/秒を超えるような公称値には「特定条件下」という高いハードルがあるということですね。
サムスン EVO Plusの概要
スピードクラスと公称値
スピードクラスによる分類は以下のとおりです。4K録画や連写撮影くらいは問題無くこなせるスペックで、スタンダードクラスのSDXCカードでは納得ラインかと思います。ちなみに、上位機種のPRO Plusの転送速度は160MB/秒とさらに高速です。
- 転送速度:130MB/秒
- スピードクラス:Class10
- UHSスピードクラス:U3
- ビデオスピードクラス:V30
- アプリケーションスピードクラス:A2
耐久性能
耐久性能は以下のとおりで、ソニーのToughシリーズを除けば業界最高水準と言っていいです。
- 防水 : 水深1mの海水で最大72時間
- 耐熱 : -25℃~85℃
- 耐X線 : 100 mGy (空港のX線検査装置に相当)
- 耐磁 : 最大15,000ガウス
- 耐落下 : 最大5 mからの落下耐性あり
- 耐摩耗 : 10,000回の挿抜試験をクリア
ベンチマーク
さて、ここからが本題。定番のCrystalDiskMarkでベンチマークをとってみました。
付属アダプター+社外品カードリーダー(トランセンド)
microサイズのカードなので、製品付属のアダプターに挿し、カードリーダーは社外品(トランセンド)という条件です。全く悪くない数値ですが、公称値の130MB/秒には遠く及びませんね。
ちなみに、130MB/秒という公称値は、「上位機種のPRO Plusに付属に純正カードリーダーを使用した場合」という条件があるようで、EVO Plusだけ買っても上限性能を活かせないというオチでした。
社外品アダプター+社外品カードリーダー(どちらもトランセンド)
せっかくなので、条件を変えてベンチマークをとってみます。社外品カードリーダーでは性能を活かしきれなかったので、試しにアダプターも社外品に変えてみました。
結果は以下のとおり、誤差の範囲内でした。今回のテスト結果では、アダプターによる相性問題は確認できませんでした。
社外品カードリーダー(トランセンド)に直挿し
さらに、以前に「アダプターを使うと遅くなる」という話を聞いたことがあったため、社外品カードリーダーにmicroカードをそのまま直挿ししてみました。
結果は以下のとおり、こちらも誤差の範囲内でした。よほど粗悪か相性問題のあるアダプターでない限り、アダプター使用の有無で速度に違いが出ることはなさそうです。
多機能カードリーダー(サンワサプライ)を使用
次は、多機能型のカードリーダーを使用した場合のベンチマークをとってみました。使用したのは、サンワサプライ製のUSBハブ機能付きのSDXCカードリーダーです。
結果は以下のとおり、これまでのベンチスコアの半分しか出ていません。大容量のデータ転送を行う場合は、多機能型のカードリーダーは避けた方がよいかもしれません。
PC内蔵多機能カードリーダーを使用
最後に、5インチベイ内蔵の多機能型カードリーダーでベンチマークをとってみました。
結果は以下のとおり惨憺たるスコアですが、原因はUSB2.0ピンヘッダに接続しているためです。2017年にBTOで購入したPCなので、てっきりUSB3.0だと思っていました。なるほど遅いわけですね。
まとめ:純正リーダーを使わないと130MB/秒出ません
今回はNintendo Switch用にSDXCカードを買い足しましたが、サムスンのEVO Plusは任天堂の公式通販(マイニンテンドーストア)でも販売されているため安心です。
一方、少しでも高速なSDXCカードが欲しいという人は、130MB/秒という公称値に惑わされないように注意してください。上でも書いたように、純正カードリーダーを使用しない場合は95MB/秒あたりが実測での上限となります。SDXCカードはすでに規格上の限界速度に達していると思われるため、有名メーカー製のカードであれば、誤差の範囲を大きく超えるような違いは無いと思われます。
ただし、Amazonで人気のトランセンドのSDXCカード(32GB)のベンチマークをとってみたところ、読み込みではブランドメーカーと互角であるものの、書き込み速度は大きく見劣りしています。32GBという小容量も一因とは思われますが、ここまで書き込みが遅いとドラレコや映像関係の用途では厳しいかもしれません。