こんにちは、ひかぱんです。
今回は、高級キーボードの象徴的存在である、Happy Hacking Keyboard (以下、HHKB) のベストバイを検証していきますね。
実は筆者、デスクトップPC用のキーボードは大好物のアイテムで、HHKB、東プレ、ロジクールなどの上位機種はひととおり購入しています。今回はHHKBを比較検討していきますが、「どれを買うべきなのかサッパリ分からない!」という声を多く耳にします。この記事を読んでいただければ、必ず、ベストな一台に出会えるはずですよ。
なお、キーボードについては他にも書いていますので、あわせてお読みいただければ幸いです。
キーボードに関する記事
本記事の推定読了時間は6分です。「そんな長ったらしいレビューは読みたくねえっ」という方のために、先にベストバイだけネタバレしておきます。理由については後述のとおりです。
万人向けのベストバイ
ここがポイント 最上位機種(Type-S)との主な違いは静音キーのみ。コスパで選べば「ノーマルHYBRID」の一択です。 |
(2021.01.27現在)
【図解】1分でしっかり分かる!HHKBの選び方
さて、何事も基本が肝心です。HHKBを購入する際のポイントとして、「ラインナップの特徴」と「製品間のコスパ比較」を押さえておきましょう。
図解1 HHKBの製品ラインナップ早見表 キー荷重が一律45gのため製品数が少ない
まずは、HHKBの製品ラインナップを図解してみます。これを見れば、16種類のラインナップの中から、自分に必要な製品を絞り込めます。
キー荷重の統一で製品ラインナップは少なめ
上の図を見て、「キー荷重は無いの?」と気づいたなら鋭い。HHKBのキー荷重は45gに統一されているため、現役ラインナップは3機種16製品しかありません。キー荷重の違いも加えて70製品もラインナップしている東プレRealforceやダイヤテックMajestouchとの違いがココです。
HHKBの3/4は英語キー配列
もう一つ見落とせないポイントは、「HHKB Professional JP」の終売により、HHKBの3/4が英語キー配列になったということです。これは英語キー配列が使いやすいためではなく、HHKBの主戦場が海外市場であるためです。日本語は漢字変換が必須であるため、Enterキーの小さい英語配列はお勧めしません。
図解2 HHKBラインナップのコスパ比較 製品間の価格差は5千円で、ノーマルHYBRIDのコスパが抜群
さらに、HHKBのラインナップを、コスパの観点で比較してまいりましょう。
上図のとおり、3機種の価格差はそれぞれ約5千円ですが、Bluetooth対応でキーマップ変更も可能な「ノーマルHYBRID」のコスパが際立って良好です。一方で、一時は品薄状態になった人気の「HYBRID Type-S」ですが、5千円の追加投資の見返りが静音機能だけでは見劣りします。
ベストバイはこれ!
ここがポイント コスパで選べば、無線接続対応でキー配置変更も可能な「ノーマルHYBRID」が一押しです。日本語入力を多用するなら、Enterキーが大きい日本語配列を選んだほうが無難です。 |
(2021.01.28現在)
ちなみに、最上位機種のHYBRID Type-Sは「高速キー入力」が可能となっていますが、これはキーストロークを他機種より0.2mm短く調整してあるだけで、コスパに見合うような特別な仕掛けがあるわけではありません。
いま人気 ほほHHKBで1.5万円も安い「AKEEYO-NiZ」 Fキー付きの84キーもラインナップされていて選びやすい
省スペースキーボードでは王座に君臨してきたHHKBですが、ここにきて強力な対抗製品が出てきました。
スペック最強で低価格
AKEEYOという中国ブランドの製品ですが、HHKBとの機能比較をご覧ください。HHKBでは上位機種のみ搭載の機能を標準搭載しつつ1万5千円も安いのだから驚愕です。実際、Amazonの評価もすこぶる優秀です。
しかも、Fキー付きの84キーモデルもラインナップしており、Fキーが無いことを理由にHHKBを諦めていた人には朗報でしょう。難点と言えば日本語モデルが無いところだけですね。
【詳しく】HHKBの機能や特徴をサクッと確認
続いて、HHKBの機能について確認していきます。まあ、なんと言っても、東プレOEMによる静電容量無接点方式のキースイッチと、いわゆる「60%キーボード」と呼ばれる省スペース性が魅力でしょうね。
静電容量無接点方式キーボード 東プレOEMによる高耐久キーボード
安物メンブレン方式のキーボード寿命が1000万打鍵なのに対して、HHKBでは3000万打鍵の長寿命を実現しています。OEM元である東プレの第2世代Realforceが5000万打鍵を実現していますが、個人使用では大した問題ではありません(キースイッチが壊れる前に、おそらく別のパーツに不具合が出ます)。
静電容量無接点方式が長寿命な理由
静電容量無接点方式では、キーを押したときの静電容量(スイッチ内の電気量)の変化によりキー判定します。デリケートで高コストな構造ですが、他の方式のキーボードのように基盤との接点を必要としないため、接点の摩耗によるチャタリング(二重入力)などの障害が発生しません。
結局のところ、HHKBの値段の高さは、製品寿命にお金を払っていることになります。5千円も出せばそこそこ高品質なキーボードを買える時代なので、個人使用では「壊れたら買い替え」のほうが確実に経済的です。
いわゆる60%キーボードの省スペース性 HHKBの最大の特徴だが、Fキーの有無はユーザーを選ぶ
HHKBの最大の特徴がここ。いわゆる「60%キーボード」とも言われる省スペース性は、無線接続との相性も抜群です。(あまり見かけませんが)タブレット用のキーボードとして持ち運ぶのもアリかもしれません。
Escキーを全角/半角キーに変更するのがオススメ
一方で、Fキーすら削り落とした省スペース性は諸刃の剣で、全角/半角の専用キーが無いのは日本語ユーザーには辛いところ。そこで、専用ソフトを使って、Escキーに全角/半角切り替えを割り当てるのがオススメです(反対に、Fn+Escの同時押しにEscを割り当てる)。
Bluetooth接続・USB-C接続 無線接続は前モデルより大幅にパワーアップ
ワイヤレス機能は前モデル(HHKB Professional BT)から搭載されていましたが、Bluetoothによる接続可能台数が1台から4台に増えました。しかも、USB-Cコネクタに対応してくれたのも嬉しいポイントです。
静音キースイッチ・早打ち構造 効果はあるが静音最優先なら他をあたるべし
最上位機種のHYBRID Type-Sは、キースイッチの内部の緩衝材により打鍵音を30%ほど軽減しています。また、緩衝材の厚みの分だけキーストロークが浅くなるため、結果として早打ちに有利になります。
ただし、本製品のようにキーストロークの長いキーボードでは、絶対的な静音性では不利となります。静音性や早打ちを最優先するなら、ロジクールのK295のような製品をあたりましょう。
タイピング音を90%軽減
Logicool(ロジクール) 2020-10-22T00:00:01Z
Nキーロールオーバー 厳密には「同時押し」とは意味が違います
「Nキーロールオーバー」とは、(他のキーを押したままでも)最後に押したキーが認識される仕組みです。早打ちが必要なタイピストやゲーマーには必須の機能で、同価格帯のキーボードにはまず搭載されています。
ちなみに、PCには「直近6キーより前のキーは順に離されている」と認識されているため、同時押しという意味では6キーが上限です。これは、USB機器のデータ転送量(1度に8byteまで)による制限で、このため厳密には「Nキーロールオーバー」と「同時押し」は意味が異なります。
7キー以上の「同時押し」が必要なら
Microsoftのゲーミングキーボード「SideWinder」では、PCに2つのキーボードデバイスとして認識させることで、「26キー同時押し」が可能です。また、PS/2接続には8バイト制限が無いため、理論上は全キー同時押しが可能です。
HHKBについては以上となります。